Nishimoto労務クリニック

大阪市西区の社会保険労務士法人西本コンサルティングオフィスがご提供する労務問題に関するクリニックです。 労務相談のセカンドオピニオンとしてもお気軽にご利用いただけるような場にしたいと思っております。

健康保険法

平成26年7月から協会けんぽの申請書の様式が変わります。

平成26年7月から協会けんぽの申請書・届出書の様式が刷新されます。

目的は、「見やすく」「わかりやすく」「記入しやすく」するためとのことで、健康保険給付申請書と各種届出書の大部分を一新することとしたそうです。

具体的には、以下の帳票が新様式変更となります。

健康保険給付関係

●健康保険限度額適用認定申請書
●健康保険高額療養費支給申請書
●健康保険傷病手当金支給申請書
●健康保険療養費支給申請書(治療用装具)
●健康保険療養費支給申請書(立替払等)
●健康保険出産手当金支給申請書
●健康保険出産育児一時金支給申請書
●健康保険出産育児一時金内払金支払依頼書・差額申請書
●健康保険埋葬料(費)支給申請書

保険証再交付

●健康保険被保険者証再交付申請書
●健康保険高齢受給者証再交付申請書

任意継続関連

●任意継続被保険者資格取得申出書
●任意継続被保険者資格喪失申出書
●任意継続被扶養者(異動)届
●任意継続被扶養者変更(訂正)届

検診関連

●特定健康診査受診券申請書

以上の通り、主に被保険者自身が申請する書類が改定されたという感じでしょうか。

但し、経過措置として従来様式の帳票の使用も当面は容認されるようです。

詳しくは、協会けんぽがパンフレットを作成していますのでリンクを添付します。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/g5/brochure.pdf

また、7月からは協会けんぽのHPでもダウンロードができるとのことですので必要な方はネットからのダウンロードで取得してみてください。リンクは→https://www.kyoukaikenpo.or.jp/

介護保険料の改定

平成26年度の介護保険料の値上げが発表になりました。

現行の15.5/1000(7.75/1000ずつ労使折半)が17.2/1000(8.6/1000ずつ労使折半)に1.7/1000の値上げになるようです。

改定時期は、平成26年3月分保険料(4月納付分)からになります。

健康保険料は、据え置きということになりましたが、介護保険料だけでみると10%強の値上げということになります。

協会けんぽの説明では、介護給付が年々増加しており、協会けんぽが負担する介護納付金も増加し、このままでは700億円の赤字が見込まれるそうです。

この現実を踏まえると、この大幅な値上げも致し方ないのかとも思いますが、来年以降は健康保険料の改定も予想されますし、厚生年金保険料は平成29年9月まで法定通りの改定が待っていますので、今後ますます被保険者・事業主の負担は増加するということになるのかもしれません。

これからの負担の増加を考えると、医療・介護分野の負担軽減のための施策(例えばジェネリック医薬品の利用や特定保健指導等の予防医療)というものを我々も真剣に理解するように努めなければならない時代になったのかもしれませんね。

健康保険法の改正

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平成25年10月1日より健康保険法の一部が改正となり、従来健康保険の適用ができなかった給付範囲の傷病が保険適用できるようになりました。

改正内容は、次のとおりです。

健康保険の給付範囲を見直し、健康保険及び労災保険のいずれの給付も受けられない事態が生じないよう、「労災保険の給付が受けられない場合には、健康保険の対象とすること」とする。
ただし、 役員の業務上の負傷については、現行の取扱いと同様に小規模な適用事業所に所属する法人の代表者等であって、一般の従業員と著しく異ならないような労務に従事している者を除き、健康保険から給付を行わないこととする。

従来、健康保険法で「業務」とは、「職業その他社会生活上の地位に基づいて継続して行う事務又は事業以外」と解釈していたため、副業として行う請負業務やインターンシップ、シルバー人材センター業務等の場合、労災保険から給付されないだけでなく、健康保険でも「業務上」と判断され、給付されないケースがありました。
今回の改正で、このようなケースが救済されることとなりました。

しかし、但し書きにあるように、法人の役員等の業務上の負傷については、現行の取扱いと同様に、「被保険者が5人未満の適用事業所に所属する法人の代表者等であって、一般の従業員と著しく異ならないような労務に従事している者」については、現行でも給付対象しているため、健康保険の給付対象とするということにしたようです。

結果的には、多少規模の大きな法人等の代表者については、健康保険と労災保険の双方から給付が全く受けられないという隙間問題は解消されていないようでした。
但し書きの前の改正条文を見て、かなり期待した部分については、踏み込まれなかったということが少々残念な改正だったと思いました。

健康保険の被扶養者の認定基準(収入基準)

健康保険の被扶養者にいくつかの認定基準があるのはご存じと思いますが、収入基準についても年収130万円というのがあります。(60歳以上の者等は180万円)
この年収基準が、どこに規定されているのかご存知でしょうか?
健康保険法の本則にあると思っている方も多々いると思いますが、法律条文には一切触れられておらず、本則には、「主として生計維持」の被扶養者の範囲と「同一世帯」要件の被扶養者の範囲が記載されるのとどまっています。

では、どこに定められているかというと、厚生労働省(当時はまだ「厚生省」)の「通達文書」として管轄の官庁に案内されたもののようです。
ご参考までに全文を引用させて頂きます。

因みに、厚生労働省の法令等データベースにアップされていますので、参考にしてみて下さい。→URLhttp://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/index.html

◆収入がある者についての被扶養者の認定について◆

(昭和五二年四月六日)

(保発第九号・庁保発第九号)

(各道府県知事あて厚生省保険局長・社会保険庁医療保険部長通知)

 健康保険法第一条第二項各号に規定する被扶養者の認定要件のうち「主トシテ其ノ被保険者ニ依リ生計ヲ維持スルモノ」に該当するか否かの判定は、専らその者の収入及び被保険者との関連における生活の実態を勘案して、保険者が行う取扱いとしてきたところであるが、保険者により、場合によっては、その判定に差異が見受けられるという問題も生じているので、今後、左記要領を参考として被扶養者の認定を行われたい。

 なお、貴管下健康保険組合に対しては、この取扱要領の周知方につき、ご配意願いたい。

 

 1 被扶養者としての届出に係る者(以下「認定対象者」という。)が被保険者と同一世帯に属している場合
(
) 認定対象者の年間収入が一三〇万円未満(認定対象者が六〇歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては一八〇万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の二分の一未満である場合は、原則として被扶養者に該当するものとすること。
() 前記(1)の条件に該当しない場合であっても、当該認定対象者の年間収入が一三〇万円未満(認定対象者が六〇歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては一八〇万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入を上廻らない場合には、当該世帯の生計の状況を総合的に勘案して、当該被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当するものとして差し支えないこと。
2 認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合
認定対象者の年間収入が、一三〇万円未満(認定対象者が六〇歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては一八〇万円未満)であって、かつ、被保険者からの援助に依る収入額より少ない場合には、原則として被扶養者に該当するものとすること。
3 前記1及び2により被扶養者の認定を行うことが実態と著しくかけ離れたものとなり、かつ、社会通念上妥当性を欠くこととなると認められる場合には、その具体的事情に照らし最も妥当と認められる認定を行うものとすること。
4 前記取扱いによる被扶養者の認定は、今後の被扶養者の認定について行うものとすること。
5 被扶養者の認定をめぐって、関係者間に問題が生じている場合には、被保険者又は関係保険者の申し立てにより、被保険者の勤務する事業所の所在地の都道府県保険課長が関係者の意見を聴き適宜必要な指導を行うものとすること。
6 この取扱いは、健康保険法に基づく被扶養者の認定について行うものであるが、この他に船員保険法第一条第三項各号に規定する被扶養者の認定についてもこれに準じて取り扱うものとすること

以上の通りの文書で規定されているようで、確かに年収要件は130万円ということが記載されています。
極めて庶民の生活に影響の多い規定ですので、「
根拠条文」はできればもう少し分かり易いところに置いておいてほしいものですね。

 

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