従来、起業準備中の離職者については、「自営業者」とみなし、雇用保険の失業等給付の内の「基本手当」は原則支給されないことが多かったことは、皆さん周知のことと思います。
このような起業の場合に雇用保険から受け取ることが期待できる給付は再就職手当程度に限定され、実際に起業準備中の無収入の時期に所得を補てんできるものは皆無でした。
しかし、今後は起業準備中の受給資格者についても、原則として支払うように運用を改めることになるようです。
サラリーマンが脱サラのために退職しても、急に現金収入が途絶えないようにして、起業を後押しすることを目的としているようです。
厚生労働省が、平成26年7月22日に、「求職活動中に創業の準備・検討をする場合」を基本手当の給付対象にすると通達が出したようで、早ければ7月末には起業準備中の方も基本手当の受給が出来るようになるかもしれません。
但し、①「事業許可の取得」や「事務所賃借の家賃交渉を始めた」という起業準備段階にあることと、②並行して求職活動もすることが給付の条件となります。
起業を準備するふりをして不正受給をしようとする人が出るのを防ぐのが主旨のようです。
やはり起業準備中の無収入状態や開業後間もなくの収入の不安定は、起業するという意欲を削ぐものですので、少しでも起業を目指す方の助けになれば意義のあるものと思いますね。
今後の運用改正がスムーズに進むことを期待したものです。